貸金業法をあざ笑うかのように出資法、利息制限法違反の高金利で貸し付けを行っている自称「ソフト闇金」が跋扈している。貸出限度額の年収制限がかけられている消費者金融会社からはねつけられた個人が違法高金利と知りながら借入をしている実態がある。闇金ゆえに全体の規模はまったくわからないが、放置できる事態ではない。
◎ソフト闇金と堂々とHPを開設
まず、下記の宣伝文句を読んでください。これは数あるソフト闇金のなかから「ソフト闇金******」のHPからコピーしたものです。
「ソフト闇金******では、通常ブラックなどで借入ができないお客様などでも融資ができるソフト闇金です。 親切、丁寧な対応を心がけていますので初めての方でもご安心してご利用していただいております。ソフト闇金*******の特徴は、2週間で30%という、ソフト闇金の中ではご利用しやすい利息と周期になっております。」
完全に出資法上限金利(29.2%)、利息制限法上限金利(15%~20%)をはるかに上回る金利で、規制当局や警察をあざ笑うかのような自称・ソフト闇金とHPに掲載して貸出の勧誘を行っています。
下記の金利水準表を見ていただければ、わかりますが、10万円を2週間借り入れるとすると、利息は3万円、手数料3000円、そして振り込み金額(実際に使える金額)は6万7000円です。利息と手数料は前払いです。このローンを乗り換えた場合、単純に年率に換算すると720%になります。かつてのサラ金隆盛の時代には1000%といった金利も散見されましたが、その時代と変わらない高い金利です。利息返還請求の訴訟が増えた時期にはこうした闇金への取り締まりは、厳しいものだったと聞いておりますが、現状は相当、緩んでいると思われます。ここまで開き直っている業者がいることに驚くばかりです。
消費者金融会社の個人向けのローン残高は3兆円ほどで直近では微増という状況です。貸金業者には借入人の年収の3分の1までの融資限度があるため、緩やかなブレーキがかかっています。このブレーキに反応するかのように銀行のカードローンが消費者金融会社の保証を付けて急増しています。2006年から2012年ころまでは3兆円で推移していましたが、「低金利環境を背景に2012年度以降は一貫して増加傾向にある」(金融庁・金融レポート)ます。現時点では5.6兆円ほどにまで増えています。企業への貸出がままならず、高い金利の個人ローンにシフトしてきたわけです。これだけ、消費者金融市場は拡大しているにも関わらず、ソフト闇金業者が増えているのは、貸金業者への総量規制が効いていることは間違いないと言っていいのでしょう。
ソフト闇金のHPをみると専業主婦も対象になっています。銀行や貸金業者から締め出された借入層です。ということは、まだまだ増える可能性があります。総量規制に見直しの声も国会議員から上がっていますが、こうした対象層の拡大緩和も含めないとソフト闇金は消えないと思われます。
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