カテゴリ:金融行政動向



金融行政動向 · 2024/07/08
財務省と金融庁は7月5日付で幹部の定期異動を行った。金融庁の栗田長官、財務省の茶谷事務次官とも1年で勇退し、次期長官に井藤英樹氏(63年)、次期財務次官に新川浩嗣氏(62年)が任命された。財務省は局長以上の幹部の退職者が比較的多く、内閣官房との入れ替え人事も目立ち人事異動が大幅なものとなったが、金融庁は栗田長官のみの退職ということから留任人事が目立つ結果となった。
金融行政動向 · 2022/06/27
財務省、金融庁は6月24日、定例の幹部人事異動を行った。中島金融庁長官は留任、財務省は矢野次官が退任、茶谷主計局長が昇格した。いずれも既定路線のトップ人事だった。「60歳定年の天井」を意識した人事となりつつあり、財務省も金融庁も足早の異動が目立つようになっている。金融庁では伊藤豊監督局長、財務省では青木官房長人事が注目される。
金融行政動向 · 2021/06/17
金融庁は東京金融市場の国際化を進めるための施策を矢継ぎ早に打ち出している。橋本総理の金融ビッグバン構想から始まり、2016年には小池都知事が国際金融都市構想を公表した。しかし、鍵を握っているファンドマネージャーに関する規制と税制がネックとなり、進捗ははかばかしくなかった。香港市場の凋落の機をとらえ、一気に打開したのが、氷見野金融庁。昨年12月、本来はコロナ感染対策である政府の総合経済対策(菅総理としては初の総合経済対策)にどういう理屈付けをしたのか、「世界に開かれた国際金融センターの実現」という項目をすべり込ませ、税制改正、さらにはファンドマネージャーの在留資格要件も緩和するなどの方針があれよあれよという間に決まった。須らく役所の仕事は危機時に大幅に動き出すが、教科書通りの作戦勝ちだろう。ちなみに氷見野長官が関係者を説得するときに使った殺し文句は「Never die in Tokyo」だった。
金融行政動向 · 2020/10/29
金融機能強化法が改正、施行され、経営者責任を問われず、また収益目標を約束しなくとも公的資金が借りられることとなった。菅総理の地銀再編発言もあり、先の地域銀行の再編についての特例法とこの改正金融機能強化法により地銀の統合が進むという話題が盛り上がっている。しかし、関係者の話を聞く限り、再編の動きは聞こえてこない。昨年、発動した早期警戒制度による行政処分を一時停止し、むしろ、改正金融機能強化法による公的資金の返済資金のリファイナンスを優先させようとしている金融庁の方針が注目される。
金融行政動向 · 2020/08/02
金融庁と財務省は7月20日付で定期の幹部の人事異動を行った。金融庁では遠藤俊英長官(昭和57年入省)が退官し、後任の新長官に氷見野良三(58・国際金融審議官)氏が昇格した。また、財務省では、岡本薫明財務次官(58)の後任に太田充(58・主計局長)氏が大方の予想通り、就任した。人事異動のポイントを取りまとめておきたい(人柄等の人物像については説明省略させて頂く)。
金融行政動向 · 2020/02/10
金融庁の金融審議会「決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」(決済WG)が、昨年12...
金融行政動向 · 2019/09/23
アメリカでジャンク・ローンも組み込んだローン担保証券(CLO)が急増している。その投資家に日本の大手金融機関の名前が並び、とりわけ農中の投資額が突出していることが、昨年来から注目されている。金融庁もそのモニタリングを強化する方針を打ち出している。CLOがアメリカの景気悪化によって、デフォルトを含め、どのような事態になるのか、予断を許さないが、世界の金融当局にとってマクロプルーデンスの問題として認識され始めている。金融庁は農中のモニタリング担当にマクロプルーデンスのエースを投入した。
金融行政動向 · 2019/09/17
金融庁は9月11日、「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」のディスカッション・ペーパーを公表した。この後、パブコメに付されたが、現行の償却・引当の基準を定めた金融検査マニュアルは、今年度中に廃止される見込み。今回のペーパーのポイントを整理したい。
金融行政動向 · 2019/08/30
金融庁は8月28日、今年度の行政方針を公表した(正式には「金融行政のこれまでの実践と今後の方針―利用者を中心とした新時代の金融サービス」。金融庁はこれまで金融行政方針と金融レポートを毎年、公表していたが、昨年から両者を合体させ、一般的には「実践と方針」という呼称となっている。ここでは行政方針と表記)。いわば金融行政の施政方針なので極めて重要なレポートと位置付けられている。今年の新しい目玉は、事前に新聞にリークされてしまったが、可変預金保険料率導入の検討がある。ほかにも多くのテーマが列挙されているが、これまでの行政の継続性との観点からこのレポートについて2点だけ指摘したい。

さらに表示する