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金融行政動向 · 2021/06/17
金融庁は東京金融市場の国際化を進めるための施策を矢継ぎ早に打ち出している。橋本総理の金融ビッグバン構想から始まり、2016年には小池都知事が国際金融都市構想を公表した。しかし、鍵を握っているファンドマネージャーに関する規制と税制がネックとなり、進捗ははかばかしくなかった。香港市場の凋落の機をとらえ、一気に打開したのが、氷見野金融庁。昨年12月、本来はコロナ感染対策である政府の総合経済対策(菅総理としては初の総合経済対策)にどういう理屈付けをしたのか、「世界に開かれた国際金融センターの実現」という項目をすべり込ませ、税制改正、さらにはファンドマネージャーの在留資格要件も緩和するなどの方針があれよあれよという間に決まった。須らく役所の仕事は危機時に大幅に動き出すが、教科書通りの作戦勝ちだろう。ちなみに氷見野長官が関係者を説得するときに使った殺し文句は「Never die in Tokyo」だった。