国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)がモントリオールで12月19日、採択した「30by30」の本質について考えてみました。環境問題を超えた画期的な大きな枠組みですが、ヒトの生存地域の限定という意味も持ちます。ローマ・クラブの「成長の限界」報告書が公表されて半世紀が経ちました。ヒトの生存場所を限定する試みは、ひとつの答えを見いだしたといえるのではないでしょうか。
新年にあたり、中期的な社会・経済・金融動向の見通しをバタフライ効果のフィルターで描いてみることも面白いかもしれません。たとえば、「慶応病院に名医がいたから、国債発行の歯止めがかからなくなった」と・・・。
厚労省で検討していた資金移動業者の口座への賃金支払い、いわゆるデジタルマネーによる賃金支払い構想が頓挫した。昨年の政府の成長戦略に盛り込まれたものの、確実な賃金支払いを求める労働側(連合)の反発が強く、予定の今年度末までに実現するという方針を変更ないし中止せざるを得ない状況となった。議論の場となった厚労省の労政審議会では、多くの問題点が労使双方から指摘されており、それぞれ解決の方向性がまったく見えていない。労政審で指摘された項目以外に構想の背後に大きな課題について考えてみたい。
菅内閣が9月16日に正式に発足し、順次官邸人事を進め、10月1日には、広報担当の補佐官を初めて民間現職メディアから決定し、体制が固まった。安倍内閣には側近政治、官邸主導=反霞が関という特色があった。官僚の使い方は一部の人材に偏っていた。菅内閣も同じように側近政治になるかどうか、まだその兆候ははっきりとは確認できない。しかし、その陣容を確認しておくことで、今後の政策の方向性を占う参考となるだろう。官邸大組織のうちの秘書官、補佐官、参与の陣容について多少だがコメントしたい。
コロナ・ウィルス感染拡大による緊急事態宣言発令が近づいている。今後、少なくとも1か月は、東京・首都圏の活動がほとんど停止すると見込まれ、その経済的な損失は1か月間でオリンピックの個人消費分に相当する。3か月となれば、3倍。GDPで年率1.5%前後のマイナス成長となることが予測されている。経済的なロスに加え、コロナ・ウィルスの感染が政治家まで広がれば、国会の閉会がほぼ決定的。となると、安倍政権は観桜会、森友問題の再燃、議員の選挙違反、検察庁人事等々の懸案を解消するために、内閣改造することが見込まれている。時期は6月。
2019年10月の消費税率10%への引き上げによる消費減退の影響は、政府が想定した以上に厳しいものとなる見込みだ。増税緩和策であるキャッシュポイント還元対策は6月末までだが、すでに延長・継続は必至との見方が台頭している。
天皇の即位・改元を5月1日としたことから、4月27日から5月6日まで、史上初の10連休がいよいよスタートする。社会的、経済的混乱が想定されながらも政府は超長期の休日を演出した。天皇の即位を言祝ぐことには異論はないが、社会システムのリスクを抱えることをどれだけ慎重に検討したのか、判然としない。日本の市場を含む社会システムを不安定化させてまでも強引にカレンダーを作り替えた理由について考えたい。
平成30年度(2018年度。2019年4月採用)の霞が関のキャリア(総合職)の採用は極めて厳しいものとなった。全体の採用枠を余すだけでなく、行政の企画立案を担うキャリアの質が低下する懸念が生じている。それは東大卒の採用が大きく減少しているからだ。また、各省庁とも途中退職者が目立ち、必要人員の確保のため、退職したキャリアを再雇用する動きも本格化する気配がある。
米朝首脳会談が2月末にベトナムで開催される。昨年の6月以来2回目の会談となる。核廃棄がテーマだが、こうした安全保障問題に加え、注目されるのは、アメリカ(あるいは国連決議に基づいた)による経済封鎖がどこまで解除されるかという点だろう。金融界にとっては、勿論、マネロン規制がどこまで緩和されるのかという点も極めて関心が高い。
財務省が6月4日に公表した「森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書」。これに対して様々な批判的な論調が目立つ。調査した財務省の秘書課でもなく、検察でもない立場からは特段の事実関係もわからないので、コメントしようもないが、感想をひとつ。